夏空ノスタルジック

中原まなみのオリジナル小説サイト「夏空ノスタルジック」のblogです。
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# 覆面作家企画5 Eブロック感想

さー、今夜も参りますよ。己棚上げで好き勝手いいます、Eブロック感想です。
茅さんがおいでおいでしてくださったのでEにいきましたw

次はC、B、A、ですが。まにあうかなー。
どうにも眼精疲労のせいか、ここのところ頭痛がひどくて死にそうでしてorz


でもまけないっ。



そんなわけで。
あいかわらずちょい辛口。好き勝手いってますが、
大丈夫な方は続きからどうぞなのですー。


 

だいじょぶ、ですね?



E01  魔石の彫金師

 冒頭から石の連続で、ち、茅さん……? っておもったけど、あたまひとブロック読んで「なんか違う……?」とやや混乱。ていうか、茅さん=石っていう安易な発想はやめたほうがいい>自分。 ……推理はひとまずおいとくw
 いやぁ、なんというか。重いお話です。ファンタジックなのに、それに甘えていないリアルがあって好き。ただ、アリエナが最初のほうで年齢が出ていないおかげで少々若い姿で読み進めていたので、年齢が出たあたりで脳内修正が必要でした。もうちょっと早めに情報を頂いたほうが嬉しかったかもしれません。
 しかし、真摯な作品だ、とつくづく思います。私はこういう、真摯さがすごく好き。妥協しない、痛みも見る、でも、愛しさが必ずある。そういう世界が好きです。なので出てくる感想は何をおいてもとりあえず「ありがとう」になるんだなぁ。


E02  逃亡者

 お……わったああああ!? えええええ。という感想を抱くのも何作目かの覆面ですが、今までと違う「おわったぁぁああ!?」です。
 救いをーくだーさいー。(涙) いやある意味健太にとっては救いのあるラストなんだろうけども。も。お話という構成をみるよりは、これはなんだろうなぁ。リアルを見据えたかんじ。E01のまた違う、断絶されたリアルというか。ここで確かな救いや(例えば勘違いやなんや)、H07のようなどんでんがえしがあれば、作品としてひきしまる。物語として確立はする。そしてそれは確かに「上手い」んだ。が、これはある意味判った上でそれを放棄している気がします。物語としての優しさや構成を放棄した上で、現実ってこんなもんだよ、と見せられた気分。これは、すごいことだと思う。私には真似できない。
 その作者のたしかな冷たさ(けれどある意味でとてもあたたかさもある)が、作品全体をきしっと音が立てそうなほどに引き締めている。
 なんとも感想を述べにくいのですが、特別な味のする作品でした。ヴェルタースオリジナル。うん。


E03  ピンク、黒、そして白

 いたたたた…… いたいいたいいたい。え、なに。Eはそういうブロックですか。立て続けに重くないですかっ!?(笑)
 ものすごく私的で申し訳ないが、いやー、高校生の頃当時のカレシを親友にとられたことを思い出しました(大笑)。あるんだよなぁ、うんうん。あーいたいw
 それはさておき。――なるほどぉ。そうきましたか。なんとまぁ、これも「リアル」です。女の子ってそうなのよね。子なんだけど女なのよね。どっちとも上手くやりたい。どっちも大切だから。でもどこかで「子」の甘さゆえの綻びがある。ひとつのほころびはひっぱればそのまま、するするともとの形を消してしまう。やわらかく、やさしく、残酷に。うーん。たまらないなぁ。いいねぇ。大丈夫。十年たてば、何となく笑えます。うん。(自己基準w)
 最後に彼女が少し前を向いてくれたのがうれしい。いっておいで。世界は広いよ。


E04  七日間の幽霊

 よ……かったぁ……www いやもう、怒涛のようなEの痛み連続にやられていたせいで、この作品のこの設定と始まりだと先行きが怖くて怖くて怖くて(笑) よかった、幸せ!
 いや、幸せなだけじゃないんだろうけどね。死を自ら選ぶほど、たしかに何かがあったのでしょうから。しかしこの作品はそこに大きく触れてはいません(読み飛ばしてたらごめんなさい)
 普通ならそれは短編としての甘さになる。構成が甘いとか、設定が甘いとか、そういう弱さになる。けど、なるほどなぁ。と。読み終えて思う。不要なんだな、それが。いらない。語る必要なんてない。それは純然たる事実として「死を選んだ」という結果さえあればいい。
 >いや、死ぬ前にはどうしようもないくらいに憎い相手がいたのだが――確かにいたはずなのだが、今となってはもうどうでも良かった。だって、私はもう死んでいる。恨みを晴らしたとして、何かが変わるわけではない。
 ここに残るのは、事実がもたらす結果のみ。うん、まぁ。生きていれば死にたいと思うことはいくらでもあるし、ようは実行にうつすか否か程度のことなのかもしれない。だから、ここは語る必要性がない。むしろ語らないほうがいい。割り切っている。判っている。そうした上で省かれている。私はそうかんじました。なるほど上手い。
 なにより、ラストがうれしい。あーよかった!


E05  魔法

 す……きー!! 好き好き好き。これ好き。うまいなぁと思う。色、というテーマで真っ正直に絵の具、を選んだ上で、この視点の用い方とこの展開、構成の仕方は上手い!
 行頭一字あけがないので、普通ならそのあたりを気にしない作者様かなと踏むのだけど。これはどうかなー。フェイクかもなー。三点リーダーも……ではなく…。うーんうーん。どうなのかな。フェイクっぽい。けど、もしこれがフェイクでないのなら、是非そのあたりの基本文法を今後やってみていただきたい。それだけで読みやすくなるし、私のような、「ページ開いて文法がただしくなければ基本的に帰ってしまう」というひねくれ読者をひきとめられます(笑) しかしこれはいいお勉強になります。うーん。そうなのよね。行頭一字あけがなくとも、三点リーダーが二連続きでなくとも、面白いものは面白い。損してるんだろうなぁ、私。
 そして、水を用いることで初めて本来の色が見えてくる。美しい色。そのさまを魔法、とたとえ、気持ちのほどけ方にもたとえる。いいなぁ。素敵でした。おねーちゃんはおねーちゃんで妹に対していろいろ抱いてる思いもあるけど、妹は妹でおねーちゃんに対しての思いはあるね。うん。

 ……。誰も選んでないし、そもそも文法とか考えるとありえない、といいたいところだけど。
 あえて大穴。茅さんこれじゃね? といってみるココロ。


E06  虹色の毒

 まずタイトルがいい。「虹色の毒」。本来「虹色」と聞いたとき人が抱くのは希望や晴れやかさ、鮮やかさ、明るさ、そういったプラスのイメージだ。それを枕にしながら、「毒」というマイナス極まりない言葉を用いる。マイナスの言葉の修飾としての「虹色」。
 そこから始まるのは大人の気配。虹色、がやや子供っぽさをイメージさせるのに、これまた意表をついてくる。大人の虹色とは。いやー。酒のみてぇ。(いままでの文章を台無しにする一文w)
 推理をする場合まず酒飲み探せばいいんじゃね、これw とりあえず成人してるひと。それから酒飲み。だめかw
 ともあれその酒に彩られながら、会話によってストーリーは紡がれる。安楽椅子探偵。いやー、おもしろかった。徐々に解き明かされていくお話。でもこれ、んんー。もしかして、読みどおりでなくもう一癖ほどありそうな気もします。


E07  海賊と白と菫

 うはっ。うはー。いいなぁこれ。乙女が好きそうなFTです。>物語はもちろん、こう終わるのだ。二人はいつまでも幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。 ぎゃふ。好き。くそ。作者の手中で踊らされている気がする!w
 鳩羽鼠色って、緑がかった灰色、ですよね?(手元の色辞典みつつw) そこにヴィオレット。いいわー。あざやかだわー。丁寧な筆致です。しかし惜しいなぁと思うのが嗅覚。ぜひ! ぜひっ! 嗅覚の描写をもっと……! ください! 触覚もほしいかな。嗅覚、触覚があると、海上の物語がもっとぐっとしまると思うのです。
 枚数にしてはストーリーの量が多い。でもそれが息苦しさもなくすとんとはいってきて、読み終えたあとは「あれ? 六千字?」となる。うん。おもしろかったです。


E08  漆黒に咲く美しい花

 この漆黒は、夜そのものというよりは、彼の心中をあらわしているのでしょう。そこに咲く花も、花火ではなく彼女の笑顔。そう受け取れます。
 しかし、何の病気なのか。余命半年と宣告を受けるなら、現状体力もかなり落ちているような気がしますが、人ごみ必至の花火大会とか大丈夫なのかなぁと心配になりますw
 しかし麻衣ちゃん。>花火の光で、顔中の汗がはっきりと見て取れる。乙女としてこれはいかがと!w ハンカチと油とりがみを渡したい!!ww 花火のあかり程度で見られてしまうとは、けっこうな惨状な気がしてしまって。あとちょっとしかいられないならなおさら、美しいあなたを彼の中に刻んで欲しいですw


E09  BUN-BORG

 おもしろーい! ライトノベルだライトノベルだ!(久しく読んでなかったから感動w)
 この設定はいいですね。これはうまく使えば一冊書けるんじゃないか?(一冊=300枚前後)
 このお話が15枚ということですが、いや、うん、長編としても読んでみたい気がします。ストーリーとしては若干尻すぼみかな、とかんじたのは冒頭の盛り上がりのせいかな。その分期待値が上がるからだと思います。だからこそもっと長く……! 長編で……!w
 >よく冷えた塩辛いグレープフルーツジュースだった。 >その跡にはピンクの肉球が刻まれていた。
 このあたりがこまめに作品の緩急をつけています。緊張→開放はストーリー軸のサンドイッチとしてもちいると効果的になるんですよね。
 面白い設定を読ませていただきました!


E10  Queen in the dark

(ガタンっ、と椅子を蹴ってたちあがって) 作 者 は 誰 だ −−−!ww
 誰ですかちょっとこっちにいらっしゃい人をこんな息切れさせといて名前を出さないとは何事ですか!www あーやっばいっす。なにこれ少女小説ー!
 顔を触る描写がなんでこんなえろいんだどちくしょう!w
 少女小説界隈、いま姫嫁が流行ですよね。この流行を取り入れた感じは、意識されてらっしゃる方な気がする。この確かな筆力は書き慣れていらっしゃる方でしかない。ときめいた! 久方ぶりにときめいた!w なるほど、これが乙女の求むものか!
 たまらなかったですごちそうさまでしたw


E11  赤い糸

 ……あ。おわった。という感想w
 教訓めいたお話ですが、芥川龍之介っぽいよーな? オチはあっさり途中で読める。が、そこに行くだろうなぁと思わせながらも読ませるのは筆力か。しかしラストw どうすんだろうな、これ。行くか?w にやりとする余韻を残しつつ、スパンときって捨てる。うまいなーw ただ、個人的にはもう一ひねり、何か欲しかったかなという気がします。それが出来る人、だという確信があるからこそワガママになってみるw


E12  錆色モノクローム

 世界観がわからない……。orz 和風なのでしょうが、神官、というのがどうしても引っかかる。あとグワンって何者なのか。
 >黒と白が混じった色というのはいまいち想像できない。 んー? 濃淡すらなく、完全なる二色の世界というのは、そっちのほうが想像出来なくて混乱します。黒と白は混ざらなくとも、灰色になりえます。うーん。そして
 >生まれたときから盲目であった。
 ……んー? でも千代をみて「七歳ほど」と認識してないか? んんん? 物の形やなんかも認識しているし、んー。難しい。
 ストーリーとしては勧善懲悪。なるほどすっきり。個人的に天狗が好きです。ああいう役回りのキャラは好きだわ。

| comments(2) | trackbacks(0) | 00:22 | category: 覆面作家企画5 |
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コメント
こんにちは!
E11の作品を書きました楠瑞稀です。
感想をありがとうございました。
タイトルが「赤い糸」だけに、「意図」を読まれてしまったみたいですね。(駄洒落です…)
文豪に例えていただいたのも、大変光栄です。
今回の覆面も、とっても楽しい企画でしたね。
よければこれをご縁に、今後もよしなにいただければ幸いです。
それでは覆面作家企画、お疲れ様でした!
| 楠 瑞稀 | 2011/10/10 7:43 PM |

こんにちは、いらっしゃいませー!
わざわざありがとうございますです。

覆面たのしかったですねー! ちょっと色々あって思い切り参加できなかったのがくやしい><
赤い糸、大変面白く読ませていただきました。
素敵な作品ありがとうございました!

どうぞよろしくしていただけると小躍りしますですっw
おつかれさまでした!
| まなみん | 2011/10/14 10:35 PM |

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